2012年6月23日土曜日

自習時間 (5)

肩こりの漢方治療
肩この概念
●一般に肩こりは、項部や肩・背中の抗重力筋肉群の過度の収縮による疲労現象と考えられる。長時間、同じ姿勢を取り続けていると僧帽筋などの抗重力筋が過度に緊張し、筋肉内の血液循環が妨げられ、老廃物質や発痛物質が生じ、これらが筋肉内の侵害受容器を刺戟するので痛みや凝りとして感知される
●精神的な興奮や緊張も中枢神経系の運動ニューロンの興奮性を高め、項部や肩の抗重力の筋緊張を促進する。また交感神経系の過度の興奮も筋肉の緊張を高めるので疲労、興奮、不眠、ストレス等も容易に肩こりの原因となる
肩この常用処方
(1)風寒湿邪による外感性の肩こり
 ①葛根湯、桂枝加朮附湯、二朮湯
(2)内傷からくる肩こり
 ①気滞・・・・・・・大柴胡湯、柴胡桂枝湯、加味逍遥散
 ②瘀血・・・・・・・桂枝茯苓丸、桃核承気湯
 ③気虚・・・・・・・補中益気湯
 ④血虚・・・・・・・当帰芍薬散
 ⑤気血両虚・・・十全大補湯、帰脾湯
<参考資料:漢方の基礎と臨床(通称 黄本):高山宏世編著>
※日本医師会編の「漢方治療のABC」には「肩こり」は、第9章・老人の170ページに3行、次のように書かれています。
(1)肩こり
比較的体力のある人には、葛根湯(かっこんとう)を、体力のない人では、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)などを使う。

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