2012年8月29日水曜日

漢方薬~下痢~

 2012年8月21日(火)午後7時から「三井ガーデンホテル」にて『臨床に役立つ漢方講座』が、講師趙 基恩 先生、テーマが、《下痢症・食あたりに対する漢方処方》がありました。蘭丸の父は、初学者なので、下痢に処方する漢方薬の多さを知りませんでした。勉強になりました。
※症候による漢方エキス剤の使い方・選び方
湿熱泄瀉型
●臨床の症候
下痢、便の色が黄色、悪臭、腹痛、腸鳴、肛門の灼熱感、排便後にすっきりしない、裏急後重、身体の熱感、舌質が紅、舌苔が黄膩、脈が弦滑。
●漢方エキス剤
(14+15)半夏瀉心湯黄連解毒湯、(1+15)葛根湯黄連解毒湯
寒湿泄瀉型
●臨床の症候
家鴨の糞のような下痢、激しい場合は水のようなもの、腹痛、腸鳴、暖めると楽になる、痞え感、顔色が悪いなど、舌質が淡、舌苔が白い、脈が沈遅あるいは細弱。
●漢方エキス剤
(115)胃苓湯、(32+17)人参湯五苓散
陽虚泄瀉型
●臨床の症候
脾腎陽虚により毎朝夜明けに腹痛、腸鳴、下痢が見られ、なかなか治らない。寒がり、腹部や四肢の冷えなどを伴う。舌質が淡、舌苔が薄白、脈が沈細弱。
●漢方エキス剤
(410)附子理中湯、(30+32)真武湯人参湯
肝鬱泄瀉型
●臨床の症候
腹痛があるとすぐ下痢する、排便後に腹痛がなくなり、粘液便あるいは血便、しばしば腹部の膨満感、不快感、ゲップ、悪心、いらいら、食欲不振などを伴う、舌質が淡、舌苔が薄白、脈が弦緩。
●漢方エキス剤
(35)四逆散、(24)加味逍遥散
傷食泄瀉型
●臨床の症候
食あたり、腹部の膨満感、ゲップ、口臭、腹痛、腸鳴、下痢便に悪臭があり、排便後に腹痛が楽になる。舌苔が白膩、脈が滑。
●漢方エキス剤
(79)平胃散、(115)胃苓湯
脾胃虚弱
●臨床の症候
軟便あるいは下痢、排便回数あg多い、便に消化不良物を伴う、油濃いものを食べると増悪、腹部の痞え感、食欲不振、疲れやすい、顔色が悪い。舌質が淡紅、舌苔が薄白、脈が沈細弱。無力。
●漢方エキス剤
(43)六君子湯、(128)啓脾湯
傷暑泄瀉型
●臨床の症候
夏バテ、疲れやすい、無力感、食欲不振、軟便あるいは下痢、咽喉部の乾燥感など。舌質が紅、舌苔が薄黄、脈が沈細数。無力。
●漢方エキス剤
(136)清暑益気湯

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