2012年9月4日火曜日

舌診(2)

①舌の構造
②4つの舌乳頭
 舌の表面にあるツブツブしたものを(ぜつ)乳頭といいます。乳頭には、有郭乳頭葉状乳頭糸状乳頭(じ)状乳頭があります。有郭乳頭は、舌の根元の近くに多く、主に苦味を感じます。葉状乳頭は、舌の側面に多く、主に酸味を感じます。糸状乳頭は、舌全体にあり、ブラシのような役割をしています。ネコの舌がザラザラしているのは、糸状乳頭が発達しているためです。主に塩味<鹹(かん)味>を感じます。状乳頭は、舌先に多く、主に甘味を感じます。

③味蕾味細胞
 その他の舌乳頭では、舌乳頭を取り巻く溝の内側、舌乳頭の側面に、味蕾という花の蕾(つぼみ)のような形をした組織があります。味蕾の周囲は、比較的かたい細胞で囲まれていて、内側に細長い感覚細胞が数個から数百個、縦に並んでつまっています。この味覚を感じる細胞<味細胞>は、溝の表面にある味(み)孔という孔に向けて細かい毛を伸ばしていて、液化した飲食物に接しています。味蕾からは舌組織の内部に向けて、味細胞の神経線維が出ています。味蕾の多数の味細胞から伸びる神経線維は、束になって舌咽神経、顔面神経、三叉(さ)神経などに連絡し、大脳に向かいます。しかし、1つの味蕾が1つの味しか感じないという事ではありません。また、味蕾は、軟口蓋、咽頭、喉頭などの口腔(こうくう)のさまざまな場所にも分布しています。成人では、舌にある味蕾は約1万個ありますが、年齢とともに味蕾数は減少していきます。そのために、味覚も衰えてくると考えられています。


※味覚のふしぎ
 舌の前方3分の2の味覚は、顔面神経から脳へ伝わり、舌の後方3分の1は、舌咽神経から味覚が脳へ伝えられます。また、下咽頭や喉頭蓋の味覚は、迷走神経が伝えています。しかし、食べ物の味覚は、科学的な物質による、甘味・酸味・苦味・塩味だけでなく、熱さ・冷たさ、舌の感覚、嗅(きゅう)覚などにも影響されて、総合的に風味として感じとられるものであります。
<参考資料:からだのしくみ、新星出版社>

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