2012年9月11日火曜日

舌診(3)

 2012年9月4日(火)の舌診(2)を、東洋医学からみると、乳頭や舌についての診かたの違いがあります。<参考資料:舌診の基礎、高橋 楊子 先生著>
※糸状乳頭
 最も数が多く小さな乳頭であり、細く糸のように尖って舌面に密生している。肉眼では薄い乳白色の小さな顆粒に見える。中医学ではこれを「白色軟刺」と呼ぶ。糸状乳頭の頂点は角化しており細胞代謝物質や食物のカスとともに舌苔を形成している。健康なものの薄白苔はこれによる。病気の場合、糸状乳頭は増殖して角化の脱落が減少し、また口腔内の自浄の働きが低下して細胞の代謝産物や食物残渣と混じり合い、「厚苔」か「膩(じ)苔」が現れる。一方、糸状乳頭と茸状乳頭が萎縮あるいは消失すれば「剥苔」か「鏡面舌」が現れる。
※茸(じ)状乳頭
 糸状乳頭より数はかなり少ないが大きな乳頭である。頂点が丸くキノコ状をしており、主に舌尖と舌辺に散在している。茸状乳頭には豊富な毛細血管網が存在するため、肉眼では表面の透明な上皮細胞を透かして舌尖や舌辺に丸く小さな紅い斑点が見える。中医学ではこれを「紅刺」と呼ぶ。茸状乳頭にある毛細血管網や血液の状態は、舌質(特に舌尖・舌辺)の色に影響する。毛細血管の血液の減少・血液粘度の低下・毛細血管網の拡張の減少などは淡白色になる。一方、炎症がひどいと毛細血管が充血し拡張するため、茸状乳頭が増殖したり、腫れたりして、または糸状乳頭が茸状乳頭に変化すると、「紅点舌」や「芒(ぼう)刺舌」や「楊梅舌」が現れる。
※舌と臓腑との関係
※正常な舌(淡紅色・薄白苔)
 舌質の色は、薄いピンク色であり、舌体はほどよい大きさで自在に柔軟に動かすことができる。舌苔は薄く、白色均等に覆われており、適度に潤っている。これは臓腑機能・気血津液が正常で邪気のないことを示している。

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