2012年8月8日水曜日

抜缶療法(9)

※抜缶療法⑤ ~全身療法~
 全身療法は、慢性疾患では、全身の臓腑の気血に異常をきたしている場合が多いので、全身を調整する必要がある。慢性疾患でなくても局所の異常は、全身の異常の一部分として現れることがあるので、原則的には全身の調整が必要である。全身療法は、背部と腹部から抜缶するのが基本である。いずれも内臓の五臓六腑と深い関係がある場所であり、背腹部から全身を調整することが出来るからである。
(1)背部の抜缶療法
 「背部」に抜缶するときは、正中線の督脈下図1)と左右両側の膀胱経下図2)の走行上に、日を改めて、交互に吸引する。背部には五臓六腑の兪穴があり、全身を調整することが出来る。つまり脊柱神経を刺激することになり、自律神経を調節する作用がある。
 具体的には、正中線(督脈)の場合は、缶球を、GV14大から、GV1長に至るまで連結して留缶する。膀胱経には左右に連結して留缶する。
(2)腹部の抜缶療法
 「腹部」に抜缶するときは、腹壁から五臓六腑の機能を刺激し、邪気を吸引する。また腹部の動静脈の流れをよくすることにより、全身の血流がよくなり、全身の調節を図ることが出来る。
 「腹部」には、下図3のように取穴する。ちょうど肝心な臓腑の募穴を刺激することができる位置にある。抜缶頻度は、健康維持のためなら、1~2/週、疲れたときには、その都度抜缶する。慢性疾患の治療にはできれば、その都度その治療法と合わせて行うとよい。
<参考資料と図:抜缶療法の臨床応用、西田 皓一著>
  
図3
胸部腹部の抜缶療法
  
図1
督脈の抜缶療法

図2
膀胱経の抜缶療法


 ※2012年8月6日(月)ブログに、ハンマー投げ、ロンドンオリンピック、銅メダル、37歳の室伏選が、抜缶療法をされていることをアップしました。テレビの画面からだと、督脈膀胱経抜缶療をされているみたいでした。蘭丸の父は、61歳ですが、それなりに、頑張ります。ワン!

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